2010年9月4日土曜日

大企業の長所と短所

ここでは、日本企業でかつ、オーナーカンパニーではない、いわゆるサラリーマン経営者の大企業を想定している。

まずは長所。
色々あるが、特に方針が定まった後の推進力が凄まじい。一人ひとりの動きは決して早くないが、例えば従業員1万人の会社で1%の100人が関わり、何らかのアクションを起しただけで、小規模の会社が太刀打ちできないような業務量となる。それだけではなく、大企業にはたいていパートナー企業や、下請けの衛星企業が数多く存在するので、核となる企業が動き始めるとそれらの周辺企業も動き出し、核企業の経営者でも止められないような推進力となる。

もちろん、経営者には止める権限があるが、周辺企業の巻き込みは「しがらみ」となり、いったん動き出した案件を止めるのは経営者にとって相当な説明責任が求められるため、途中で「この案件やっぱりやめた」と言いたくても言えない状況になる。
(本当は「やっぱりやめた」と言うのが経営者にしかできない大切な仕事なのだが)

だから、大企業の方向性を決める意思決定は慎重にならざるを得ない。一歩間違えば「死の行進」になるのだから。

これが短所につながっているのだが、その短所は意思決定が遅いこと。
要因は特定できていないが、とにかく意思決定が遅い。
たいていの企業では最高意思決定の場が、月1回ないし四半期に1回のペースであるが、まずそれ自体が非常に粗い。かつ、検討不十分で次回=1ヶ月先/3ヶ月先に持ち越したりする。致命的に遅い。
上記の通り、要因はよくわからない。いくつか挙げると、大企業なら日々売上・利益が上がっているはずなのでたいていのことは直ぐに意思決定しなければならないほど切迫してはいないこと、人材評価が減点方式なので何かを決めることへの抵抗感が強いこと、大企業の社員は外部で通用するスキルを有していないためクビになると職に困るのであぶない橋は渡らないこと(後者2つは要は社員がリスク回避型のマインドだということ)あたりか。


まとめると、大企業は大きな大きな歯車のようなイメージ。
動き出しにはかなりの時間と労力がかかるが、いったん動き始めるとすごい力で回っていく。

当面は小さな所帯で大企業と対峙していかなければならないので、戦い方を気をつけないければならない

0 件のコメント:

コメントを投稿